中田亨・「事務ミス」をナメるな!ヒューマンエラーとの向き合い方。

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事務ミスをナメるな

ここ数ヶ月の間で、仕事でヒューマンエラーを契機として成果物に手戻りが発生する機会が多く発生しました。リカバリーをするにあたり、色々か事を考えましたので、少しまとめておこうと思います。
その過程でタイトルにある本も読んだりしたので、同意する部分に触れながら書いていきます。

ミスは人それぞれ。一つの対策では万全ではない。
作業ミスを防ぐために、作業の終わりなどにチェックリストを用いてその作業の妥当性をチェックすることがあります。SEという仕事においても多く使います。しかし、人は同じ所でミスを犯すとは限りません。「嘘でしょ?」っていうところでミスを犯したりするもんです。
そうすると、チェックリストに穴があると判断され、新たにチェック項目が追加されます。チェックリストは膨大な量に膨れ上がります。成果物を作成するのが仕事なのか、チェックリストをチェックする事が仕事なのかわからない程になります。
結局チェックリストなんか面倒だとなり、ミスを犯してしまい、チェックリストにまた追加される・・・もう、最悪です。いい加減、こういう仕事はやめないとダメですね。。
チェックリストは万能なものではないです。チェックリストが有効な場面は手順が確率されている部分だと考えています。SEの仕事、特にシステム改修の上流工程では同じ作業(要件)が発生することのほうが稀です。そうなると、チェックリストでは品質確保など到底無理なのです。

ミスを防ぐではなく、ミスに気づきやすくし、適切にやり直すという考え方
こういう方向にシフトしていくべきだと思うんです。もちろん、いい加減にやりますと言うことではないです。全てを計画することは不可能だと思います。計画に費やすコストも馬鹿になりませんし。多少のトライアンドエラーは有りだと考えています。ただ、そのミスを上位者なり、顧客なりに報告する際にポイントとなるのは以下の2点。

・作業内容を後から見た時に遡れること。(トレーサビリティ)
・ミスが起きた範囲を限定できること(ゾーニング)

例えば、「白い恋人」の賞味期限改ざん問題。事件発生時、製品全て回収。しかし、自体を解明するのに容易ではなく、膨大な時間、コストがかかっているはずです。再発防止策として、検品の徹底(トレーサビリティ)、製品に一つづつ賞味期限を印字する(ゾーニング)をすることで、品質を担保しています。
私が直近で出会ったミスはこの両面が欠けていたと思い、反省しています。もっと意識して作業する部分です。この当たりの仕組をしっかり作った上でならトライアンドエラーもありではないかと考えています。

現物チェックの徹底、報告の推奨
上位者は広い視野で仕事をする必要があり、なかなか一つの仕事に注力できない場合が多いです。そのため、出来上がった成果物に対し、充分な時間をかけて品質をチェックすることが出来ない場合もあります。それでも、譲ってはならない部分が「現物チェック」だと今まで以上に考えるようになってきました。人づてに聞いた情報では、信用に欠けますし、それを別の人に報告する際も、どうにも自信なく弱々しくなってしまいます。ここは現物をしっかりチェックして、自信をもって報告すべきです。時間が惜しいと短絡的に考えがちですが、後のリカバリーコストを考えると安いものです。

また、同様に報告もどんどん上げてもらうようにしなければなりません。その際、ひとつのミスを叱り続けるようではダメです。いずれ報告を上げる事が面倒になり、本当に重大なミス(不正)すら隠される可能性が高いと考えます。情報が多くなりすぎてもダメですが、簡易な報告(5W2H)を推奨し、情報を適切に集められる状態を保ち続ける事が何より重要が重要です。不正が隠されるようではヒューマンエラー以前の問題となります。この状態はなんとしても避けなければなりません。

まとめ
人のミスは本当に多く、なくならないものです。(ミスが無いほうが不自然) ですので、ミスが起こる事が前提として、いかにリカバリーが早くできるかという視点でもう少し考えてもいいのかな感じています。最終的な成果物の品質を確保できるように、より効率的に物事を考えて行きたいなと思っています。

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